こんなところに駅が?長野県と静岡県、愛知県をまたぐ、JR飯田線秘境駅めぐりの旅

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愛知県の豊橋駅から長野県の辰野駅を結ぶJR飯田線。約200キロに及ぶ路線には、秘境駅と呼ばれる駅がいくつも点在しており、秘境駅マニア以外の方も最近は多く訪れています。なかでも天竜峡駅と中部天竜駅の間は、長野県と静岡県と愛知県の3県を県境を縫うように走っており、山深い山間部の秘境駅が連なる飯田線のハイライト区間です。今回は天竜峡駅から南下し「中井侍駅」「小和田駅」の2駅を訪れてみます。

 急斜面にへばりつくような茶畑の真下にある「中井侍駅」

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天竜峡駅から普通電車に揺られること45分、長野県最南端「中井侍駅」に到着。駅はつづら折りの道路沿いにある茶畑のはるか下にあり、車でのアクセスはかなり困難な場所です。おそらく大型車では駅までたどつくことはできないでしょう。斜面にへばりつくような中井侍の集落では、天竜川の朝霧によって良質のお茶が育つとのことで、お茶の栽培が盛んに行われています。急峻な土地で栽培された「中井侍銘茶」は県知事賞など数多くの受賞歴もあり、深い味わいと香りが特徴です。

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線路は単線、ホームはひとつ。非常にシンプルな駅の構造です。「中井侍駅」は長野県でいちばん南にある駅であると同時に、いちばん標高が低い駅でもあります。それでも海抜289メートル。1日の乗降客は10人にも満たないのですが、秘境駅ブームとなった昨今では、カメラ片手に下車する人もちらほら見られます。

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下を流れる天竜川はまぶしいほどのエメラルドグリーン。「暴れ川」の異名をもつ天竜川ですが、晴れた穏やかな日はゆるやかな川の流れに見とれてしまうほどです。「中井侍駅」のダイヤは8時22分の天竜峡行が出ると、次は11時25分。次の電車が来るのは3時間先。周囲にはお店どころか自販機もありません。訪れる際は食べ物や飲み物は必携です。

飯田線秘境駅の中でも別格の存在の「小和田駅」

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「中井侍駅」から電車で5分、「小和田駅」に到着です。電車ならわずか5分で到着できますが、車で移動するとなると、せまい林道を通りさらに徒歩を強いられ2時間ほどかかるのではないでしょうか。こちらの「小和田駅」から飯田線は静岡県内を走ります。「小和田駅」の住所は浜松市天竜区になりますが、まわりを見渡してもここが浜松市内とは思えないでしょう。

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「小和田駅」のホームには三県境界駅の表示があります。駅自体は静岡県にありますが、天竜川をはさんだ対岸は愛知県、「中井侍駅」方面は長野県ということで、3つの県境が重なる地点の近くに駅が存在しています。

秘境駅の駅舎として完璧 木造の古い駅舎が渋い

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駅の外に出てみます。スムーズには開かないガラスの引き戸を開けて、ふと振り返るとなんとも渋い駅舎の姿に感動します。昼間でも消えない電灯、鳥の巣箱、「小和田駅」の字体、すべてが秘境駅の駅舎として完璧です。老朽化が激しく耐震性の問題からいつ取り壊されてもおかしくない駅舎。少しでも長くこのままでいてほしいと願わずにはいられない駅です。全国には多くの秘境駅と呼ばれる駅がありますが、「小和田駅」は、駅の位置やまわりの風景、列車ダイヤに駅舎、どれを取っても文句なしの秘境駅と言えるのではないでしょうか。

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駅舎内にある駅周辺の看板は、いつごろ作られたものなのでしょう。集落名と林道の簡単な地図がありますが、残念ながら方角も距離もわからず全く参考になりません。天竜川が「小和田駅」の前だけ太くなっており、池のようになっていますが、佐久間ダムが作られる以前の地図なのでしょうか。夏にはキャンプができるとのことですが、少なくとも「小和田駅」周辺にはキャンプ場はありませんし、なんとか天竜川の川岸まで下りられたとしても、とても危なくてキャンプなどできません。

「小和田駅」周辺は廃墟マニアも満足するスポットが点在

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「小和田駅」からは散策路が続いており、1時間ほど歩くと天竜川林道沿いにある塩沢集落まで出ることができます。また、塩沢集落までの郵便物は、「小和田駅」より徒歩にて配達しているとのことで、まわりに民家もない「小和田駅」ですが、存在意義はきちんとあるようです。

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東屋の中にベンチ、そして広告内容は古いのにわりと新しい看板があります。

皇太子妃雅子様の旧姓が小和田(おわだ)だったことにあやかり「小和田駅」で結婚式をしたカップルもいたほど、当時は「小和田駅」に多くの人が訪れたのだそうです。「愛」というベンチもそのころ作られたと思われます。

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「小和田駅」周辺には工場と家屋が廃墟となっており、資材や道具などがむき出しになっています。この工場はもともとは製茶工場だったようで、錆びついた大型機械なども見られます。

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廃屋となった家屋には、当時使っていた湯呑みやふきんなどがそのままの状態で置かれており、机の上には中学校の社会科の教科書が置いてあります。引っ越したというよりは、あらゆるものを放置して家を手放したという感じでしょうか。

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散策路を歩いているとオート3輪も現れます。ミゼットだとすると50年以上前のものではないでしょうか? 廃道に昔の車両が放置されていることはよくあるのですが、「小和田駅」周辺は林道まで徒歩で1時間もかかる場所。なぜここに車両が…と不思議に思いますが、1956年に天竜川に佐久間ダムが作られる前は、「小和田駅」と対岸の愛知県を結ぶ橋が架かっていたということですので、「小和田駅」周辺まで車で来ることができたのでしょう。そのころの車両だとすると、かれこれ60年近くこの地に放置されていることになります。

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雄大な天竜川に沿って走るJR飯田線。山深い地を縫うように走る電車は、過疎地の生活には欠かせない存在だということがわかりました。また、秘境駅を巡ると、栄えていた当時の様子やこの地に暮らす人々の生活などが垣間見られ、考えさせられることも多くあります。秘境駅が密かなブームとなっていますが、訪れる際はその地に暮らす人々への配慮とマナーを守って見学したいですね。

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2016年11月14日

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