物部守屋vs蘇我馬子、壮絶な戦い!河内三太子の一つ、大阪・八尾市の大聖勝軍寺

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

仲間外れ?の大聖勝軍寺

このコラムでは、大阪府太子町にある「上之太子」こと叡福寺と、大阪府羽曳野市の「中之太子」と呼ばれる野中寺という、聖徳太子(厩戸皇子)にゆかりが深い寺院を紹介してきました。

この二つは河内三太子と呼ばれますが、残るもう一つの寺が大阪府中東部の八尾市にある「下之太子」の大聖勝軍寺(だいせいしょうぐんじ)です。大聖勝軍寺は街なかにあり、田舎にある叡福寺とはかなり趣きが違います。

河内三太子のうち、大聖勝軍寺は仲間外れです。叡福寺と野中寺は日本最古の官道である竹内街道の傍にあるのに、大聖勝軍寺だけは竹内街道からは遠く離れています。なぜこんな場所に、聖徳太子ゆかりの寺があるのでしょうか。

大聖勝軍寺の最寄り駅、JRの八尾駅

物部氏の本拠地、八尾・渋川

聖徳太子と言えば十七条憲法、その第一条には「和を以て貴しとなす」と書かれています。そのわりには「大聖勝軍寺」なんて、かなり好戦的で勇ましい名称だとは思いませんか?

実は587年、この地で崇仏派の蘇我馬子と、廃仏派の物部守屋戦ったのです。聖徳太子はもちろん、崇仏派の蘇我馬子と共闘しました。もっとも、物部守屋も仏教を容認していたらしいのですが、蘇我馬子と権力争いをしていたことに違いありません。

JRの八尾駅の近くに渋川町という地名があります。ここは物部氏の根拠地でした。当然、地の利もあり、また軍事氏族の物部守屋が有利と思われていました。

現在は閑静な住宅地となっている八尾市渋川町。かつて、ここが物部氏の根拠地だった

しかし、蘇我馬子は大勢の豪族を従えて物部守屋を討ち破ったのです。これで世は蘇我氏の天下、物部氏は滅びてしまいました。

戦に勝てたのは御仏のおかげとして建立されたのが大聖勝軍寺というわけです。この寺は別名「太子堂」と呼ばれ、この辺りの地名にもなっています。

大聖勝軍寺の山門

二つの”聖徳太子”に挟まれた大聖勝軍寺

大聖勝軍寺は国道25号線沿いにあります。この道は奈良街道と呼ばれ、大阪と奈良を結ぶ極めて重要な道路であり、現在でも慢性的な渋滞となっています。

国道25号線を西へ行くと大阪市天王寺区の四天王寺にぶつかり、東へ行けば奈良県斑鳩町の法隆寺に辿り着きます。もちろん、両寺院とも聖徳太子が建立した寺として有名ですね。

国道25号線沿いにある大聖勝軍寺の入口

四天王寺と法隆寺の中間に大聖勝軍寺があるわけですが、観光地として有名な四天王寺や法隆寺に比べて小規模であり、おそらく国道25号線を車で走行していても、その存在に気付く人は少ないでしょう。拝観料は無料で、観光バスが停まるようなスペースもなく、観光コースから外れていると思われます。

でも、だからこそ歴史ファンを惹き付ける魅力が大聖勝軍寺にはあるのです。太古の時代、この地で決戦が行われ、歴史が動いた場所と言えるでしょう。

大聖勝軍寺の山門前にある、聖徳太子像と四天王寺像

物部守屋の墓

大聖勝軍寺を出て国道25号線沿い、太子堂交差点の近くに物部守屋の墓があります。「敗軍の将」ということか、実にひっそりした墓です。古墳時代の末期で、物部氏は有力な豪族だったにもかかわらず、大規模な古墳は築かれなかったのですね。

神道派らしく、鳥居で祀られています。自らの根拠地が、敵対した「太子堂」という地名になっていることを、草葉の陰で物部守屋は嘆いているのでしょうか。

大聖勝軍寺の近くにある、物部守屋の墓

神道から仏教へ、歴史の転換期を探索

仏教が日本に伝来したのは538年と言われています。その時から、日本古来の伝統を守る神道派と、中国大陸の文明を広める仏教派との対立が始まりました。その中心が、神道派の物部氏と、仏教派の蘇我氏だったのです。

その戦が勃発したのが、八尾の大聖勝軍寺周辺でした。これが我が国初の宗教戦争かも知れません。その歴史息吹を探索してみませんか?

大聖勝軍寺の入口にある、古戦場跡の石碑

最寄り駅はJRの関西本線(大和路線)の八尾駅で、徒歩約15分です。バス利用の場合は、近鉄大阪線の近鉄八尾駅から近鉄バスの藤井寺駅行きに乗り、太子堂バス停で降りてすぐの場所にあります(JRの八尾駅前も通ります)。車利用は、辺りが渋滞していることもあって、あまりお勧めできません。

それでは、古代史の転換期となった大聖勝軍寺を散策してください。そして「河内三太子」巡りをするのもいいでしょう。

大聖勝軍寺の「太子堂」と呼ばれる本堂

★河内三太子

「上之太子」叡福寺(大阪府南河内郡太子町)
「中之太子」野中寺(大阪府羽曳野市)
「下之太子」大聖勝軍寺(大阪府八尾市)

2017年5月2日

カテゴリー

  • ディズニー夜行バスバスツアー
  • USJ 夜行バスツアー
  • 八戸観光

RSS

follow us in feedly

Copyright © Evolable Asia Corp. All Rights Reserved.