秘湯シリーズ8〜オープンキッチンで食事する山岳リゾート秘湯・新穂高温泉・野の花山荘~

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奥穂高山中の一軒宿です。目の前にそそり立つ錫杖岳、オープンキッチンでいただく食事、豊富な湯量の温泉、暖炉のある山岳リゾート秘湯というコンセプトです。

はじめに

野の花山荘は私の言葉では「モダン秘湯」のカテゴリーに入ります。ありていに言えば鄙びた宿というよりもオシャレなモダンテイストの秘湯です。数年前にできたばかりで、それゆえ過去にとらわれず新しいスタイルにチャレンジしています。

新感覚の宿と言えるいろいろな工夫があります。館内、食事、温泉いずれにも特長があり、見渡す外の景色には人工物は一切ありません。季節を問わず満足度の高い宿だと思います。

野の花山荘

松本までは高速バスが格安です。そこで高速バスかレンタカーで上高地入り口、安房トンネルを越え平湯温泉、福地温泉、栃尾温泉を経て新穂高ロープウェイに向かいます。雪が一層深くなりますがスタッドレスで十分です。

場所は新穂高ロープウェイの第一ロープウェイと第二ロープウェイを結ぶ山道途中にあります。これ以上奥には何もない一軒宿です。

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宿の外観は山荘風です。晴れていれば背景に錫杖岳が見えます。翌朝には雲間が切れて錫杖岳の威容を見ることができました。

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野の花山荘は9室の小型の宿、一番好きな大きさです。つまり家族経営的に営んでおられ、目が行き届き会話もあるからです。20室以上だと人が多くなるし10室前後がお気に入りです。

次の写真は二階から見たロビーです。どうみても山の別荘そのものでモダンです。吹き抜けになっているのは窓の外に錫杖岳を見るためです。左の暖炉がアクセントで右手もゆったり応接間、両方でくつろげます。

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夜になると暖炉では薪が燃やされます。薪の火というのは何万年も人間が見てきた炎、本能的に癒されます。

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目の前に圧倒的な威容の錫杖岳

次の写真は翌日朝の錫杖岳、ピークには朝日が当たり、下半分はまだ夜覚めやらぬ薄暗さです。目の前にそそり立つ垂直の岩壁と岩峰、こんな風景が日本いあったとは!何も海外に行かなくても山岳リゾート気分を味わえます。

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錫杖岳がこんなに荘厳な山とは思いませんでした。北アルプスには名だたる山々がひしめいているためか、少し離れた錫杖岳は控えめないぶし銀の山、ここでは脇役が主役です。

野の花山荘を建設したのは錫杖岳が見える場所に造ったに違いありません。今回は真冬、でも残雪の残る5~6月、緑輝く夏、紅葉の秋など、何度も訪れたくなります。

豊富な湯量の温泉

男女別に内風呂と続きの露天風呂があります。特に女性用の露天風呂は天気が良ければ錫杖岳を眺めながらの湯浴みです。女性にうれしい宿です。

泉質は単純温泉、190L/分、81.8℃、pH6.9、成分総計759mg/kgです。つまり、豊富で軽い湯が溢れています。

まず男性用の風呂を紹介します。

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温泉の特長は湯量の多さです。この一帯は焼岳の麓にあって、その地下の熱源が地下水を温めたのでしょうか。湯量の豊富さは温泉本来の良さをしみじみと享受できます。溢れる湯が多く贅沢ですね。

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外に出るとすぐに露天風呂。雪の中で注がれる源泉。大きい湯船ではありませんが十分な大きさです。

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次は女性用の風呂です。二面がガラス張りなので男性用よりさらに開放的です。

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次は露天風呂です。

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錫杖岳が見えるサイドにあり、その絶景は女性にしか味わえません。

野の花山荘は開業後に貸切露天風呂ができました。露天風呂は秘湯では必須のアイテムですから。早速、新雪の積もった雪道を下って貸切露天風呂に出陣します。雪道を約2分、二つの貸切露天風呂に向かいます。

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手前に最初の露天風呂、その左奥に見えるもう一つの小さな庵も露天風呂です。新雪と樹木に埋もれた露天風呂を堪能、これは白くて暖かい別世界、異次元の天国です。

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足跡の見えない雪道ほど子供心に戻れるものはないですね。平らな雪の上に穴を開けながら進みましょう。

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奥の露天風呂は珍しい深めの露天風呂で、こちらの方が人気だそうです深さは胸くらいまであるので、なんともふわふわ状態です。

湯船は白い森の中にあり、その雪を見ながらの露天風呂、もうこれだけでテンションが上がってきます。

次は手前の露天風呂です。

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森の中は狐が歩いていそうな森、それ以外何もありません。ここは異空間、音といえば風と雪が落ちる音、色といえば雪と白樺の白、それに樹木のこげ茶色、空は鉛色、そこに時々雪が舞います。

湯船の中は少し熱めかなと思いましたが、入ってしまうと本当に丁度良い湯温です。いいんでしょうか?こんなシアワセ。

風呂に入れば喉が乾き腹も減ります、そう、有名なオープンキッチンスタイルの食事処へ。

オープンキッチンでいただく食事

食事はオープンキッチンでいただく。次の写真、ここは奥飛騨でしょうか?

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都会のレストランのようです。このオープンキッチン形式は秘湯では初めて遭遇しました。

オープンキッチンは劇場ですから、演出されなければなりません。そのために、バックヤードであらかじめ下準備がされているようです。

夕食の紹介をすると写真の量が増えすぎます。言葉でいえば、最初の前菜としてトマトの大皿がでてきて添えてある玉ねぎがおいいしく、白菜のスープ煮もいくらでも食べられます。

前菜の次は信州サーモン、湯葉のチーズ焼き、飛騨牛の炭火焼が続いていきます。焼き物の塩梅がなかなかのものです。最後に、ご飯とお吸い物。この味、絶品です。最後のデザートはカウンターではなく、暖炉の部屋でいただきます。

朝食もカウンターでいただきます。朝の光での食事は格別なものです。

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目の前のかまどで炊きたてのご飯です。朴葉(ほうば)味噌、鮎の焼き物にプロの手によるふわふわオムレツも。

さて、カウンターは10席で今回は二人が5組で丁度満席でした。宿は9室ですから満室の場合は横のテーブル席になったり、夕食と朝食で入れ替えになるのでしょう。グループの方はこちらでもいいでしょうが、カップルならカウンターが希望ですよね。ので予約は早めに。

愛嬌のある置物

野の花山荘は飾られている小物にもさりげないセンスが垣間見えます。次のうさぎさん、ほおずきを運んでいますが頑張っています。いつもはグータラなのに。

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カカシさんは愛嬌で勝負、これで勝てたら人生苦労はしないのに。

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おわりに

宿の特長をまとめてみましょう。第一は新鮮で豊富な湯量と雪の露天風呂、第二は錫杖岳、それで「山岳リゾート秘湯」の名前を与えましょう。第三がカウンターでのオープンキッチンの料理、第四が暖炉です。

さらに部屋は広いし床暖房なので冬でも快適です。新しいコンセプトの秘湯です。秘湯は進化するということを証明する宿です。ユニークな秘湯が増えて行くことはうれしいですね。

最後に、野の花山荘は近くの槍見館の姉妹館です。日帰り無料バスで槍見館にも探検に行けます。こちらもオススメです。

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2016年1月25日

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