城跡、古刹、古民家、歴史博物館、昭和の暮らし 歴史好きにはたまらない練馬区の歴史散歩

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23区で貴重な戦国時代の城跡・石神井城

本日も、練馬区石神井公園周辺を歩きます。いよいよ石神井城を攻めると思うと闘志が漲りますね。厳島神社の隣の水神社を経て、三宝寺池に沿って進んでゆくと、橋の右側の窪地に「石神井城」の石碑がありました。

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そばの解説板の地図を見ると、左側の崖の上が主郭、すなわち本丸の跡なのだとか。石神井城は、平安時代末期から室町時代中期にかけて、現在の文京区や台東区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、練馬区など東京の北部一帯に勢力をもっていた豊島氏の居城の一つ。城の築城は、鎌倉時代後期と考えられているそうな。

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室町時代中期に太田道灌に攻められ落城し、廃城になったのですか。解説板によると、城は、石神井川と三宝寺池に挟まれた台地に築かれており、全体では九ヘクタール前後の規模であったと推定されているらしい。

池をバックに階段を登ります。しかし残念ながら、左手の主郭とおぼしき場所は無粋なフェンスで囲まれておりまする。

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フェンス越しに中を覗くと、空堀越しに土塁の跡がはっきりと残っています。平成10年から6年間に渡って発掘調査が実施され、堀と土塁及び内部の一部が明らかになったと、解説板に記載されていました。

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それによると、堀は幅約12メートル、深さ約6メートルで底の部分が平たくなった「箱堀」。水が溜まっていた痕跡がなく、空堀であった事も分かったとか。堀の底から土塁の天辺までは軽く10メートルはあったらしい。

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石神井城は、三宝寺池の谷と石神井川の低地とに挟まれた小高い丘陵の上にありまする。その周囲は深い空堀と土塁でめぐらされていたのでしょう。

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土塁と壕で土地を四角形に区画した場所(郭)をいくつか築いて、防御施設としているそうな。例えば、城の東側は、ここより100メートル程の場所に幅7メートルほどの壕で区画され、西側は約220メートル程の場所に幅9メートル程の壕と土塁で区画されていたとか。

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石神井城の北側と南側は、三宝寺池と石神井川という自然の地形を利用して防御されていたのですな。解説板に描かれていた城の地図の向きがわからず、周辺の地形を歩き回ってやっと城の縄張りを把握しました。

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すると当時の城の外観が頭の中に浮かび上がりました。前回来た10年前より、関東地方のさまざまな城を見て目が肥えていますから、それほど難攻不落の城というイメージはわきませんでした。もっとも、比較的簡単に落城してしまったのですが…。

石神井城主豊島氏ゆかりの神社仏閣

石神井公園のそばには、豊島氏ゆかりの神社仏閣が並んでいます。まず、三宝池の隣にあるのが氷川神社。

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大宮にある氷川神社を豊島氏が勧請したもので、一族ゆかりの石灯籠が残っていました。 次に行ったのは、三宝寺。三宝寺池の名前の由来になっている由緒あるお寺ですね。江戸時代には、徳川家光の鷹狩りの際の休憩所にもなったらしい。

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御成門は、山門は徳川家ゆかりの門ということでこう呼ばれているのですな。本堂も風格があります。最近作られたようですが、根本大塔も美しい。

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こちらのお寺で注目すべき建物は、当時赤坂にあった勝海舟邸の長屋門。ここに移される前は、練馬区旭町にあった兎月園の正門として使われ、昭和35年に閉園されたとき移築されたのですな。

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三宝寺の隣には、最近建てられた三重塔が素晴らしい道場寺。ここは、石神井城主、豊島氏の菩提寺だとか。

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かやぶき屋根の古民家が移築された池淵史跡公園

そこから、前回見て面白かった井草通り沿いにある図書館に付設された練馬区郷土資料室を見学しようと思いました。ワンルームだけの展示室でしたが、郷土資料が手作りの説明書きとともに並べられていた記憶があります。

図書館はリニューアルされて使いやすくなっていたのですが、資料室はなくなっていました。

少し残念な気分になり、図書館を出て交差点から旧早稲田通りを進みます。2つ目の通りで左に入り、なだらかな坂を上っていきます。昔は、畑が残っていて、緑あふれる素敵な景色が広がっていたのでしょうね。

そして着いたのが池淵史跡公園。ここは10年前と同じようにあったとほっとします。当時、史跡公園なのに、遺跡と思われるものは入り口の縄文時代の住居の解説板だけでした。

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ところが、今回行ったら、公園の一画にかやぶき屋根の古民家がありました。

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これは旧内田家住宅で、明治20年代に練馬区中村の建てられたものだとか。明治時代の中頃も、農村地帯ではかやぶき屋根の建物が新築されていたのですな。何もなかった史跡公園に、シンボルとなる建物ができたのはうれしいですね。

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昭和の街並みが再現されている石神井公園ふるさと文化館

古民家にいたボランティアの人に、練馬区郷土資料室が無くなっちゃったみたいなのですよ、と言ったら、隣の建物を指さして、展示品はあちらへ移ったみたいですよと教えてくれました。 指さす方向には、近代的なデザインの建物が…。ワンルームの部屋から資料館へ進化したのですか、と喜び勇んで向かいます。

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ここ石神井公園ふるさと文化館は、平成22年3月に開館したらしい。今から6年ほど前だから当時はなかったのですな。

ホームページによると、練馬区の歴史や伝統文化、自然などについて、体験しながら楽しく学ぶことができ、観光情報も発信する新しい博物館だそうな。土器などの出土品や工芸品、練馬大根の資料など、練馬区の歴史や人々の生活の様子などを知ることができるのですな。

常設展示室の入り口では練馬大根が出迎えてくれました。練馬は江戸時代、農村でしたから、農機具や水車などの展示がたくさんありますね。

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さらに館内を歩いて行くと、昭和の街並みが再現されていました。

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タバコ屋に中華料理店のフォルムはまさに昭和ですな。

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ラーメンではなく中華そば50円とか、ノスタルジックな気分に浸れますな。私が子供の頃、遠足の小遣いが一人100円で、しかも紙幣と指定されたことを思い出しました。 そして、ダイハツミゼット。

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うちにも昔あったので懐かしい昭和の名車です。桑田さんの映画「稲村ジェーン」での名脇役ぶりが有名ですね。運転席がシンプルで、逆にオシャレな感じがしました。

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こちらの展示は昭和の茶の間ですか。黒電話、トランジスタのテレビ、ちゃぶ台が良い味を出しています。いろいろな機能のついた勉強机もあったあったと思い出しました。

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水辺の景観が見事な石神井池と石神井川

石神井公園ふるさと文化館を出て、目の前にある石神井池へ。石神井池は細長い池で、こちらは人工的に作られたのだとか。

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岸辺には桜の木が植えられ、並木道になっています。そういえば、石神井公園は都内でも有数の桜の名所なのでした。 池の中には三澤憲司によって作られたという存在感のあるモニュメントがあります。

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1984年からここにあるそうですが、これは何をイメージして作ったのでしょうね。音叉にも、鳥の嘴にも見えまする。もし両足に見えたら、犬神家の一族かも、と不謹慎なことを考えてしまったのでした。

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それはともかく、かつてミスチルの桜井さんは、ここをジョギングしている時に、大ヒット曲『Tomorrow never knows』の歌詞を思いついたらしい。確かに、水辺と緑を見ながら走っていると何かインスピレーションが湧きそうな気がしますな。

石神井公園に隣接する記念庭園から禅定院の前を通り、少し歩くと石神井川。ここにも、川に沿って桜の木が植えられています。

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川の両岸には、快適なウォーキングロードが整備されていて歩きやすい。広々とした景色を眺めながら、石神井川を下流に向かって進みました。

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23区にある高野山・長命寺

長光寺橋公園のところを左折して、笹目通りに出るとすぐ西武池袋線の練馬高野台駅。駅前に新しくできたという、順天堂大学付属練馬病院の前を通り、最後にむかったのは、病院の隣にある長命寺。

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長命寺というお寺の名前がいいですね。病院で人間ドックの検査を受けたあとに、お参りするとまさにベストマッチングかも、と思ってしまいました。 この病院が開院したのが、2005年7月だとか。それに対して、長命寺は1618年に創建された区内屈指の古刹。時代は違っても、長く健康に生きたいという人の願いはいつの時代も変わらないのでしょう。

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南大門の四天王像のどこかユーモラスな表情が親近感を覚えます。

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さてこの長命寺は、紀州高野山に模して作られ、東高野山奥の院として、都の史跡に指定されているらしい。ずっと前に、紀州の高野山へ行ったことがありますが、参道に延々と供養塔や燈籠が並んでいたのを覚えています。

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この寺も、距離はぐっと縮められていましたが、紀州の高野山を髣髴とさせる雰囲気はありました。

参考サイト

ねりま大好き! 練馬区観光協会

2016年3月23日

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