【滋賀・近江神宮】天地開闢。鐘鼓を鳴らして時を知らせる「漏刻祭」 中編

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漏刻祭は太鼓の音とともに

「漏刻祭」の始まりは、この大きな太鼓が知らせてくれます。

わたくし、たまたま太鼓のすぐ近くに立っていたのですが、いや~すんごい音です。笙の音が聞こえてきたなと思ったら、「ドンッ!ドォンッ!」と全身を震わす太鼓の音が。

刻限の太鼓

うん。これだけ恰幅の良い権禰宜(?)さん が叩かれるんですから、その威力や推して知るべし。事前に、「このあたりはかなり大きな音がしますので」と告知してくれますので、心臓の弱い方は、避けた方がいいですね。

采女・陰陽師入場

その太鼓の音と笙の音をBGMに先ほど境内でお見かけした、男性3名と、采女姿の女性4名がしずしずと入場してこられました。男性方がお召しのあの衣装。別の記事で「直衣」と書きましたが、調べてみると、神職の常装「狩衣(かりぎぬ)」のようです。

遠目で見てもきらきらしくも真新しく見えるのですが、まさか毎年新調しておられるのでしょうか? 黒と赤と紺の狩衣はよくよく見れば同色の刺繍もしくは織りが確認できますし、下にはいておられる指貫もしくは差袴の部分にも細かな紋が。靴なんてあなた、黒光りしていますけれど、膠や漆で塗り固めた紙っぽいですよ!

采女の皆様の衣装もまた手が込んでいますよ~。白い糸で細かく刺繍がしてある桃色の上着の下には、萌黄色の布が見えます。

天智天皇は平城京時代の人だから、当然この方々の衣装もその時代を復元したもの、なわけで。平安の世の十二単衣に比べれば遥かに楽なのかもしれませんが、それでも着るのが大変そうです。帯とかどうなっているんだろう?

立ったり座ったり

おっと、いけない。王朝絵巻な皆さんに見とれている間に、儀式は進行しておりました。

狩衣姿の皆さんの、砂庭(といっても小石が敷き詰めてありますが)を隔てたちょうど反対側、全身白装束の「浄衣(じょうえ)」に身を包んだ、宮司さんかな? それとも権宮司さん? が朗々と祝詞を唱えられます。参拝者に向けて榊をふり、お祓いもしてくれます。

ちなみにその間参拝者は立って、「低頭(ていとう)」せねばなりません。朗々とした声が「参拝者の皆様、ご起立ください」と促してくださるのですから、立たないわけにはいかない。で、その後タイミングをあわせて「ご低頭ください」です。

IMGP7732

これ、膝や腰に持病のある方はしんどいだろうな~。参拝者のほとんどは、上の写真のような椅子に腰かけて参列されているのですが、こいつがまた、どっしりして見えて案外座りが悪いのですよ。恰幅の良い男性だったらば、座面が足りないんじゃないかな?

そこへ来て、立ったり座ったりですから……。うむ。神事と言うものは参加するだけでも大変なのです。

祭事の音は楽し

祭事は進みます。

IMGP7731

玉砂利を敷き詰めた砂庭の更に上には、階段、そしてその奥にもまた階段があり、御神体が御簾の奥深くにおられる、のでしょう。そこに向かって砂庭から位階の高そうな浄衣の方が、二礼。彼に合わせて参拝者であるわたし達も立ち上がって礼をしたのですが、その間、獣の唸り声のようなものが三回、尾をなが~く引いて笙の音とともに聴こえてきました。

あれは祝詞だったのでしょうか?

時計奉納

そうそう音と言えばもうひとつ。権宮司さんが神饌を供した後、「時計奉納」の儀はあったのですが………。そのBGMが、ですね。なぜか。何故か、「3○クッキング」と凄くよく似ていたのですよ。

それまでは笙の音や祝詞と言った厳かな音は響き渡っていたお宮に、突如軽快な音楽。しかも電子音チック。一瞬「え?」と驚き周りを見渡しましたが、参拝者の皆さんも、三方に載せられた時計を持ち上げしずしずと歩を進める狩衣・采女軍団の皆様も、顔色ひとつ変わっていない様子。つまりこれは正しい音楽なわけですね?

たぶん、おそらく。奉納される時計のチャイムか何かの音なのでしょうが、それが鳴り響いている間、つまりは儀式が終わるまで、下を向いて笑いをこらえていたわたくしです。

なんと陰陽師が!

時計奉納 終了2

わたしを爆笑の危機に陥れた「時計奉納」の儀。その後も祝詞が厳かに読み上げられ、その間、狩衣・采女軍団の皆様は朱塗りの固そうな椅子の上で、姿勢を正してじっとしておられます。お疲れ様です。

で。ですね。宮司さんだか権宮司さんだか、司会進行される方が、黒の狩衣の方を、こう呼んだのですよ。「(陰陽頭(おんみょうのかみ)」と。

いや~びっくりしました。だって、「陰陽師」ですよ、オンミョウジ。古代衣装に身を包んだかの方々は。時計業界関連の方々のはずですが、祭事の間は陰陽頭や陰陽師様なのです。聞いた瞬間、テンション爆上げです。もちろん厳粛な儀式の途中ですから、叫び声なんて上げませんでしたけれどね?

舞楽ナソリ 始

あぁ。それを聞いただけで、今日は来て良かった。なんて満足のため息をついている間に、笙の音がまた聴こえてきました。本日の(わたしの)メインイベント、「女舞楽」がもうすぐ始まるようです。

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2016年6月28日

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