鉄橋からコンクリート橋へ!兵庫県日本海側の新名所・余部橋梁

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とてつもなく広い兵庫県

みなさんは兵庫県についてどんなイメージをお持ちですか? 多くの人はオシャレな港町・神戸を連想するでしょう。

しかし、兵庫県はとてつもなく広いのです。なにしろ、本州両端の青森県から山口県まで歩いて行こうと思えば、必ず通らなければならないのが兵庫県です。大阪湾に面した神戸から、日本海側まで列車で約3時間もかかってしまいます。当然、そこは神戸とは別世界です。

今回は、兵庫県の日本海側、香美町香住区にある名物の鉄道橋・余部(あまるべ)橋梁にご案内します。まずはJR在来線の新大阪駅から特急「こうのとり」に乗り込み、約2時間45分で日本海に程近い城崎温泉駅に到着します。

城崎温泉駅に停車中の国鉄型特急「北近畿」。現在は新型特急の「こうのとり」に変更

非電化区間を走り、余部橋梁へ

城崎温泉駅で乗り換え、ここから先の山陰本線は非電化区間になるので、ディーゼルカー(気動車)に乗って約45分の旅です。1時間に1本あるかないかのダイヤで、運が良ければ快速に乗れますが、滅多にありません。各駅停車に乗ってノンビリ日本海の車窓を楽しみましょう。

ディーゼルカーはトンネルを抜けて、いよいよ余部橋梁に差し掛かりました。ここからの日本海は絶景です。

余部橋梁に差し掛かった列車から見た日本海(余部漁港)

列車に乗るのも一苦労!?の餘部駅

余部橋梁を渡った所に餘部駅があり、ここで下車します。なお、部橋梁と部駅で字が違うのは、兵庫県には他に余部(よべ)駅(姫路市)があるので、それと区別するためです。

餘部駅は余部鉄橋と同じ高さにあるため、下車すると40mも下へ降りていく必要があります。しかもエレベーターやエスカレーターはおろか、階段すらありません。山道を歩いて降りるのです。もちろん、列車に乗る時はこの山道をえっちらおっちら歩いて登らなければなりません。

駅から下まで唯一の通路がこの山道

下から余部橋梁を拝む

苦労して、ようやく下の国道まで降りてきました。ここからは余部橋梁がよく見えます。ではなぜ、余部橋梁が有名になったのでしょう。

余部橋梁が完成したのは、なんと明治時代の1912年。タイタニック号が沈没した年です。高さ約41m、長さ約309mの鉄道橋は当時、東洋一と謳われました。鉄製だったので余部鉄橋と呼ばれていたのです。

しかし現在は撤去されて、コンクリート製となっています。なぜでしょうか。鉄橋撤去許可局(?)に許可されたから、というわけではありません。

余部鉄橋は特に冬場、日本海から吹き付ける強風のためにしばしば運航休止となっていました。そして1986年、強風により列車が余部鉄橋から転落するという痛ましい事故が起こったのです。そのため2010年、風に弱い鉄橋からコンクリート橋へ付け替えられました。

完成間近のコンクリート橋。向こう側にある、多数の鉄製橋桁が旧・余部鉄橋(現在は撤去)

余部橋梁の下には、その歴史が書かれた看板があります。また、真下から見る余部橋梁はド迫力です。

真下から見た余部橋梁。左が旧・余部鉄橋(現在でも一部現存)、右がコンクリート橋

虹と花の谷

では、余部橋梁の近辺を散歩してみましょう。国道178号線沿いを歩いていると、家を改装した博物館のような建物がありました。そこには「ギャラリー 虹と花の谷 余部」と書かれています。

入場無料のようなので、中に入ってみると余部鉄橋や旧・余部村の写真や絵などが展示されていました。そして、余部鉄橋を模した鉄道模型も飾られています。また、余部鉄橋の写真集やDVDも売られていました。

ギャラリー 虹と花の谷 余部

それでも愛されていた余部鉄橋

明治時代は近代日本の象徴として華々しくデビューした余部鉄橋も、戦後の高度成長期を終えると時代遅れの遺物となり、しかも多くの犠牲者を出してしまい「負の遺産」とまで言われるようになりました。

しかし、過疎化が押し寄せる地域の足として活躍したのも余部鉄橋であり、またトレッスル橋と呼ばれる独特の形状は、地域住民や鉄道ファンからも愛されていました。それだけに、撤去される時には多くの観光客が訪れたのです。

そして現在、コンクリート橋として生まれ変わった余部橋梁は、地域を支える橋として新たな歴史を歩むことでしょう。残された鉄橋部分には、余部鉄橋「空の駅」という展望台も完成しました。

新名所となった余部橋梁へ、ぜひ行ってみてください。(トップ写真は、鉄橋部分とコンクリート橋部分が混在していた頃のもの)

左側が旧・余部鉄橋の線路(現在は撤去)。右側が完成間近のコンクリート橋の線路

2017年2月13日

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