ソメイヨシノ発祥の地とおばあちゃんの原宿・巣鴨地蔵通り商店街 東京都豊島区を歩く

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ソメイヨシノのルーツを守る染井よしの桜の里公園

今回行ったのは、東京都豊島区巣鴨周辺。この辺りは、御存じ、おばあちゃんの原宿「巣鴨地蔵通商店街」が有名ですね。

確かに、商店街にはお年寄りが興味を惹きそうなスイーツやグッズのお店がたくさんありまする。でも、巣鴨の魅力はそれだけではありませぬ。なんと、桜のナンバーワンブランド、ソメイヨシノ発祥の地でもあるらしい。…ということで、お花見シーズン真っ盛りの四月上旬にここを訪れてみることにしました。

スタートはもちろん、巣鴨駅。駅から本郷高校の裏を通ってまず向かったのは、染井よしの桜の里公園。ピンクの染井よしの桜まつりの幟に期待が膨らみます。

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この辺りは昔、染井村と言われ、江戸時代には園芸の里として発展していったらしい。当時は植木屋さんが大量に住んでおり、そこからソメイヨシノが園芸品種として作られたという説があるそうですね。現在では全国に広まったソメイヨシノのルーツが東京にあるとは、なんかうれしいですな。

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染井よしの桜の里公園は、銀行の跡地に作られた公園で、一見何の変哲もない児童公園に見えます。ただ、公園の隣の土地にソメイヨシノの苗床があり、成長したら区内の施設だけでなく全国へと本場の桜を提供してゆく予定らしい。東京がソメイヨシノの産地として再び脚光を浴びるかもしれませんね。

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近くには津藩藤堂家下屋敷から移築したとされる門や植木屋として活躍した旧丹羽家の鉄筋コンクリートの蔵がある「門と蔵のある広場」もあります。この辺りは伊勢津32万石の大大名、藤堂家の下屋敷もあったそうですね。

ここから少し歩くと、柳沢吉保の屋敷のあった六義園も近いし、江戸時代はこの辺り、大名のお屋敷が立ち並んでいたのでしょう。

春はソメイヨシノに染められる染井霊園

染井よしの桜の里公園から少し歩くと、染井霊園があります。さすが、桜の里の霊園だけあって、見事なソメイヨシノが出迎えてくれました。

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ここは播州建部家の屋敷跡に明治5年に開園した都営の霊園なのだとか。江戸時代の大名家の石高になぜか詳しい私でもノーマークだった建部家。そんな小さな大名家の屋敷でも、この広さですか。当時の大名家のお屋敷が、いかに広かったかと思い知らされます。

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この霊園には、明治時代の有名人のお墓がたくさんあります。個人的には、日本史の教科書に出ている幣原喜重郎や目上げるような大きさの藤堂家のお墓が印象に残りました。

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有名な高村光雲、高村光太郎と智恵子夫妻の墓や文学史には必須の二葉亭四迷などのお墓もあります。

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お墓の至る所にソメイヨシノが咲き誇っていて、ここに葬られた方も今の季節は一緒にお花見を楽しんでいるかもしれませんね。

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染井霊園の隣にある慈眼寺には、小説家・芥川龍之介のお墓があります。

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家族のお墓と別に、おひとり様のお墓なのですな。正方形で、サイコロにも見える墓石は、ご本人が愛用した座布団を模して作られたのだとか。

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この座布団に座って、天国でも小説を書いているのかも、と思ってしまいました。

名奉行と剣豪のお墓のあるお寺がある

ところで、染井霊園の近くに江戸時代のヒーローたちのお墓もあるのでした。それは、本妙寺。

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なんと、遠山の金さんこと、江戸町奉行遠山金四郎のお墓が…。

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そして、司馬遼太郎の「北斗の人」や赤胴鈴の助?の師匠としても有名な北辰一刀流千葉周作のお墓も。

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なぜそんな有名人の墓が巣鴨に?と思ったのですが、明治時代の終わりに、本郷円山町から引っ越してきたのですね。 ちなみにこの寺は、振袖火事として有名な「明暦の大火」の火元になった寺で、境内には明暦の大火の慰霊碑もありました。個人的に興味があるのは、下総関宿藩主を代々勤めた久世大和守の大名墓地。

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久世大和守は、あまり有名ではないですが、江戸幕府の老中として地味ながら堅実な仕事をしたお殿様として印象に残っておりまする。

江戸六地蔵のひとつがある

染井霊園から、白山通りを渡り少し巣鴨駅へ戻ったあたりにあるのは、真性寺。

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ここには、江戸六地蔵のうち、中仙道に安置された一体があります。地蔵といっても、大きさは大仏クラスの迫力。

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ちなみに六地蔵は、当時、江戸を起点とする六街道の入口に、旅人の安全を祈願して建立されたものですね。このブログでも、何度か登場したことがあります。たとえば、旧東海道沿いの品川寺、甲州街道沿いの太宗寺、そして今回は旧中仙道沿いの真性寺…。

残るは、奥州街道沿いの東禅寺、水戸街道沿いの霊巌寺、千葉街道沿いの永代寺ですか。どれも昔行ったことのあるお寺ですが、永代寺は廃仏毀釈により取り壊されたため現存しないのですね。江戸六地蔵をいつかブログで全て紹介したいと思うのでした。

すがもんのおしりが出迎えてくれる巣鴨地蔵通り商店街

さて、境内を出ると、目の前にあるのは、おばあちゃんの原宿として有名な、巣鴨地蔵通り商店街。

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何度も来ている場所ですが、見慣れないものがあるのでした。

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なになに?「すがもんのおしり」?

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すがもんとは、今流行のゆるキャラですか。何でも、鴨の国からやってきた男の子で、赤いはっぴがトレードマークなのだとか。巣鴨地蔵通り商店街を盛り上げるお手伝いをしているのだそうな。

このおまんじゅうのような物体は、すがもんのおしりなのだとか。女性が集まって、我先におしりに触っていました。あとで調べてみたら、すがもんのおしりに触ると恋が成就するそうですね。なるほど、おばあちゃんの原宿だけではなく、若い人たちにも商店街はアピールしようというわけですか。でも、おばさま方が大勢触っていましたが。

病気平癒のご利益があると評判のとげ抜き地蔵・高岩寺

商店街を歩くと、人気の和製スイーツ店には行列ができています。

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お年寄りからパワーをもらいつつ、そぞろ歩きで行くと、とげ抜き地蔵のある高岩寺へ到着。

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こちらのご本尊は「とげぬき地蔵」として霊験あらたかな延命地蔵菩薩。秘仏なので残念ながら拝見できないのですね。

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境内で人気なのは、この聖観世音菩薩像。

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水をかけ、自分の悪いところを洗うと治るといわれているのですか。「洗い観音」とも呼ばれ、江戸時代の中期から病気平癒のご利益があると評判だったそうですね。

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ここは何度も来たことがありますが、いつ来ても混んでいますな。これだけ医学が進歩した現代であっても、病気の不安は消えてなくならないのでしょうか。観音様は多くの人たちから洗われて、ピカピカに輝いて見えました。

日本一の赤いパンツ専門店がある

商店街には、高齢者が興味をひきそうなグッズが、いろいろ売られておりました。その代表格は、この赤いパンツでしょうね。日本一の赤パンツとはすごい。

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東洋医学では、赤い下着で下腹のツボ・丹田を覆うと活力が沸くと考えられているそうですね。赤いパンツといえば、私たちの年代ではウルトラマンをイメージしてしまうのですが、確かに赤いパンツをはくと元気になりそう。

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そういえば、今年は申年で、巣鴨の赤いパンツのお店を紹介する番組がありましたね。私も、もう少し年を取ったら、赤パンツにカラータイマーを胸に着けて頑張ろうと思いました。

歩いて行くと、すがもんの郵便ボックスもありました。

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赤い郵便ボックスの中に入っているみたい。

2016年4月19日

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