夜行バスでは注意!エコノミークラス症候群を防ぐ方法!
・新幹線や飛行機に比べて格安!
・宿泊費も節約可能!
・目的地そばまで乗り換え無しで移動!
このように、他の交通手段と比べてなにかとメリットも多い乗り物である「夜行バス」!
しかし移動に長時間かかる点や、ずっと座りっぱなしであるなど、体力面で心配される方も多いと思います。
特に狭い空間でずっと同じ姿勢でいることによって引き起こされる「エコノミークラス症候群」などは有名ではないでしょうか?
死に至ることもあるエコノミークラス症候群ですが、ちょっとしたケアで十分避けることが出来ます!
ということで今回は長時間の移動も心配なし!エコノミークラス症候群を避けて快適なバス移動を実現するコツについて紹介します。
Index
エコノミークラス症候群とは?
エコノミークラス症候群(えこのみーくらすしょうこうぐん)とは、、、
動作が少なく長時間同じ姿勢でいると下肢(足)が圧迫され、血流が悪くなり血栓(血のかたまり)ができやすくなり、できた小さな血栓が肺の静脈を詰まらせてしまうことで発症します。
出典:大塚製薬「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)を防ぐには?」
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/thrombosis/
飛行機の座席では1番安い「エコノミークラス」に乗っていた人が、飛行機を降りた後に体調を崩し死亡するという事故が相次いだことによって広く知られるようになりました。
「旅行者症候群」や「ロングフライト血栓症」などの名前でも呼ばれており、1980年台ごろから有名になりました。
エコノミークラス症候群の原因は?
長時間のフライトでは、乾燥した環境に長時間同じ姿勢でいることによって、下肢(足・ふくらはぎ・太もも)や下腹部の静脈の血液の流れが悪くなり、静脈中に血栓(=血の塊)ができる事があります。これを「深部静脈血栓症」といい、この血栓が血流に乗って肺まで流れ込み、肺の血管を詰めてしまう病気になると「急性肺血栓塞栓症」という病名がついています。
エコノミークラス症候群は、長時間の移動によってこれらの2つの病気が起きることを指します。
『NEJM』誌(2001年)の研究結果によると、飛行距離が長いとよりエコノミークラス症候群の発症率が高まることや、通路側に比べて窓際のほうが約2倍の発症率であることがわかったそうです。
しかし、これらは飛行機のエコノミークラスだけで起こる話ではありません。
例えば2002年にはサッカー日本代表で欧州遠征中であった高原直泰選手(当時22歳)がビジネスクラスでの移動で発症しています。また長距離移動以外にも、大地震の後に車の中で避難生活をしていた被災者の方が亡くなったり、タクシーやバスのドライバーが勤務中に発症して死に至るという事例も発生しています。
そして!飛行機と同じように、長時間座ったまま移動する高速バス・夜行バスにおいてもエコノミークラス症候群を発症する可能性があります。
エコノミークラス症候群になるとどのような症状が?
「深部静脈血栓症」などの比較的症状が軽い場合には、血栓によって静脈の血流が悪くなり、足の痛みやむくみ、皮膚表面の変色などの症状が現れます。また血栓の大きさによっては症状に気づかないままの場合もあります。
より重篤な「肺血栓塞栓症」の場合には、初期症状としては呼吸困難や胸痛、不安感や冷や汗などの自覚症状が現れます。場合によっては突然これらの症状が発症し、血圧の急低下や意識障害によって生命に危険が及ぶことがあります。
静脈に血栓ができるリスク要因としては、長時間同じ姿勢でいることや乾燥、水分の摂取不足などの航空機内や夜行バス車内のような環境要因のほかに、肥満や喫煙、高齢、静脈瘤、心不全、静脈血栓塞栓症の既往歴などが挙げられます。また特に経口避妊薬を服用している方は、血液が固まりやすくなっているため注意が必要です。
夜行バス車内でも!その予防法とは?
ここまでエコノミークラス症候群について紹介してきましたが、現在では発症のメカニズムが明確であり、対策を取ることで十分回避することが可能です。
特に高速バスや夜行バスは他の乗り物に比べて移動時間が長いのが特徴です。
また飛行機であれば、離発着時や気流の悪い空域の飛行など一部を除き、安定飛行時には座席を自由に立つことが出来ます。しかし高速バスにおいては走行中はシートベルトの着用義務があるため、トイレに立つ際などの状況を除けば着席時には必ずシートベルトを着用しなくてはなりません。
しかし、トイレに立つ以外にも、座席に着席しながらできる予防法がたくさんあります!
服装
・ゆったりとした服装
あまり体を締め付けるような服装は避けて、リラックスできるような服装にしましょう
・できれば靴を脱ぐ
靴を脱ぐことでリラックスできます。紙スリッパを持っていくと良いでしょう。
・弾性ストッキングは有効
締め付けることで血液循環をサポートしてくれるタイツやストッキングであれば有効
・シートベルトも適度に
過度にきつく締めすぎず、適度なキツさで安全と快適性を保ちましょう
飲食
・アルコールは飲みすぎないように
利尿作用によって脱水の原因となることがあります。
(車内での飲酒が禁止されている便もあります)
・できれば禁煙する
喫煙は血栓が出来るリスクが増加します。一部バスを除き、車内はもちろん禁煙です。
・こまめに水分を取る
水による血液粘度の上昇を防ぐという点で、適切な水分の摂取は重要です。
呼吸・姿勢
・深呼吸をする
時々深呼吸をすることで、血液循環を促します。特に腹式呼吸が効果的なようです。
・寝るときは足を上げる…足を上げることで血液の循環を促します
・足を組まない…組むことで血流を阻害する可能性があります
・立ちやすい通路側の席にする
ストレッチ
・1時間に3~5分程度は足の運動を行いましょう
①足の指でグーを
②指をひらく
③上下につま先立ち
④引き上げる
⑤両手で抱えて、足首を回す
⑥ふくらはぎを揉む
出典:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html
・足指じゃんけん
両足の指を使ってじゃんけんするという運動で、かなり足の指を使うので効果的です
・指圧する
狭い車内では少し難しいですが、両手を使って足全体を揉んでほぐしましょう。力を入れてしまうと揉み返しがくる事があるので、全体で揺さぶるように全体をマッサージしましょう!
いかがでしたでしょうか
今回は高速バス・夜行バスにおけるエコノミークラス症候群の予防についてご紹介しました。
いま夜行バスや深夜バスに乗りながらこの記事をご覧頂いているかたもいるのでしょうか?
今回ご紹介した予防法は、どれもこれも簡単に出来るものばかりです。
上でも述べたようにエコノミークラス症候群は防げる症状です!これらの予防法を適切に実施して、長時間のバスでの移動を快適なものにしましょう!
2018年10月15日