「笠森の舞台から飛び降りる」千葉県にある岩上のお寺

コラム

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2015/02/09

京都の清水寺は「清水の舞台から飛び降りる」という言葉ができるぐらい独特な造りで有名ですが、千葉県にもそれに似たお寺があるのでご紹介します。

そのお寺は「笠森寺」と呼ばれ、784年、天台宗の開祖である最澄が建立しました。最澄は建立にあたり、楠で刻んだ十一面観音菩薩を本尊としたことから別名「笠森観音」と呼ばれ、人々に親しまれてきました。また古来より巡礼の霊場として知られており、坂東三十三箇所巡りの第31番目のお寺となっております。

観音堂

大岩の上にそびえるように建立されており、その姿は京都の清水寺を彷彿とさせます。観音堂を61本の柱で大岩を囲むように支えており、この造りを四方懸造と呼び、特異な建築様式で重要文化財となっています。観音堂の階段を上がった回廊は清水寺のような広さはありませんが、房総の山々が四方眼下に眺められ、その景観は一見の価値あり。

他にも重要文化財の釣燈籠など多くの文化財も残されています。江戸時代の俳人「松尾芭蕉」もここを訪れて句を残し、今でも句碑が残っています。

『五月雨に此笠森をさしもぐさ』

笠森寺周辺の森林は古来より禁伐林として保護されてきたと伝えられ、現在でも「笠森寺自然林」として国指定天然記念物にされています。森にはシダ類など多くの植物が見られ、それに伴いイタチやリスなどの動物達もたくさん生息しています。このような自然の宝庫でもあるので、寺社見学だけでなく自然散策で訪れる人もいるようです。

坂東三十三箇所

坂東三十三箇所とは神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県の各地に点在している33か所の霊場のこと。鎌倉幕府の創始者「源頼朝」によって発願され、西国の霊場を模範として札所を制定したと伝えられています。第一番札所は神奈川県鎌倉の杉本寺から始まり、千葉県館山の第三十三番札所である那古寺まで関東一円廻るようにあります。このようなお礼参りの始まりは江戸時代とされています。

千葉県でも稀有な造りの笠森観音。是非その景観を堪能してみてください。カメラが趣味の方もよく撮影に来られるお寺でもあります。駐車場からお寺までの階段道も昔から保護されてきた森の中を歩くので、良い森林浴になると思います。

アクセス笠森観音（http://kasamori-ji.or.jp）千葉県長生郡長南町笠森302 TEL 0475-46-0536 JR外房線　茂原駅下車　小湊鐵道バス牛久行「笠森」下車小湊鉄道　上総牛久駅下車　小湊鉄道バス茂原駅行「笠森」下車
拝観料：大人200円　子供100円

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