江戸時代からの桜の名所・飛鳥山公園と鉄道ファン必見の北とぴあ展望ロビー 東京都北区を歩く

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知る人ぞ知る、平塚神社は平塚城址

今回も東京都北区を歩きます。旧古河庭園を出て、本郷通りを挟んではす向かいの場所にあるのが平塚神社。

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私にとっては、神社よりも平塚城址と言ったほうが興味あったりして。平塚城は、中世の豊島郡一帯に大きな勢力を張った、豊島氏の居城といわれています。ときは平安末期ですから、もちろん石垣に囲まれ天守閣があるような城ではなく、館のような感じだったのでしょう。

ここは、源義家が後三年の役(えき)で奥州に遠征した帰りに寄り、豊島氏がもてなしたところと言われているそうな。義家は、その礼に鎧と守り本尊の十一面観音像を譲ったらしい。

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境内の裏手に、その鎧を埋めたと伝えられる甲冑塚がありました。

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解説板を読むと、その塚が平らだったため、現在の「平塚」という名称になったそうですね。今ではなんの変哲もない土地の起伏ですが、歴史のスターたちがここを訪れたと思うと見る目も変わってきます。歴史的に土地を眺めると、世界がドバッと広く感じられるところが魅力かも。

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当然、城跡の痕跡を探したのですが、都市化が進んでまったくわからなくなっていました。強いて言えば、この高台にあるという地形ですかね。

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防災体験館の老舗・地震の科学館

平塚神社の隣にあるのが、東京都北区防災センター。

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ここには誰でも無料で見学や体験ができる地震の科学館があります。都内で最初にできた防災体験館で、昭和59年の開館だとか。起震装置による地震体験や煙体験など、地震を中心とした防災の基礎知識を身につけてもらうことを目的として作られたのですか。館内には、地震後の部屋やブロック塀倒壊の様子がリアルに再現されていました。

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ガラスが散乱し、重い家電製品が宙を飛ぶ。ここまでグチャグチャになってしまったら、逃げ場はありませぬ。無傷でいることは奇跡かも。やっぱり、対策は必須ですな。

昔の郡衙で今は防災公園でもある滝野川公園

背筋が寒くなりながら、隣にある滝野川公園へと避難します。

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ちなみに、この辺りは、古代の武蔵国に置かれた郡の一つ豊島郡の郡衙(ぐんが) の中心部分があったところらしい。 郡衙とは、今でいう区役所や市役所のようなものでしょうか。滝野川公園は防災公園でもあり、消防署や警察署、病院が周囲を固める災害拠点として建設されたらしい。災害時には、ここにある応急給水施設や災害備蓄倉庫が活躍するとのこと。

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ただ、公園としても高台からの眺望が良かったり、桜が楽しめたりとなかなかクオリティが高かったです。私は例によって、城跡の痕跡を探してしまいましたが…。

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滝野川公園のシンボルはこの壁泉でしょうね。

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高さ5メートル、全幅22メートルの白御影石の壁から、最大毎分約12トンの水が流れ落ちるらしい。前は、直径25メートルの大池になっており、夏には水遊びをする子どもたちでいっぱいになるそうな。この巨大さからして、水がドッと流れ落ちたらなかなかの迫力なのは間違いないですな。

コラボで残る貴重な一里塚

ここから飛鳥山公園は目と鼻の先。向かう途中に、一里塚がありました。

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都内にも一里塚はいくつかありますが、道の両側に残っているのは珍しいですね。解説板を読むと、かつてこの通りに都電を通すとき、一里塚が破壊されようとしたところ、渋沢栄一などが待ったをかけ、存続されたらしい。

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ちなみに一里塚とは、江戸幕府が全国の主要街道に、一里(およそ3.9キロメートル)ごとに道の両側に塚を築かせたもの。街道を旅する旅人にとって一里塚は、旅の長い道のりの目安となり、駕籠賃の目安にもなったとか。一里塚の木陰は、旅人の憩いの場所にもなったのでしょう。

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八代将軍吉宗の時代からのお花見の人気スポット・飛鳥山公園

そして最後に向かったのは、都内でも有名な桜の名所・飛鳥山公園。

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ここは、八代将軍吉宗の時代に桜が植えられ、庶民の花見場所として解放したのだとか。当時は、桜の名所地では「酒宴」や「仮装」が禁止されていたそうですが、ここでは容認されていたのだとか。

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享保の改革で、質素倹約をモットーにしていたそうですが、ときには羽目を外さすことも必要なのですな。当時の江戸っ子たちは、ここ飛鳥山でさまざまな趣向を凝らして楽しんだらしい。さすが暴れん坊将軍。

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行った日は曇り空で肌寒かったのですが、御上容認のお花見場所ですからね。ブルーシートの上で場所取りをしたり、すでに夕方から盛り上がっている人たちがいたり、とお花見の雰囲気が満載でした。

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飛鳥山公園は、D51や古の都電なども置かれているのですね。桜とのコラボはなかなか見応えがありました。

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それにしても、お花見のグループも個性があって面白いですな。カラオケをしている人たちやすでに出来上がって踊っているおじさんたちのグループ。

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中には、花を見ないでずっと下を向いて難しそうな専門書を読んでいる若者たちのグループもありました。本はどこでも読めるだろうと思ったのですが、やはり桜吹雪の中で勉強するのが醍醐味なのかもしれませぬ。

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かたつむりみたいなモノレール、あすかパークレール

飛鳥山公園の高台を下りようとすると、行列ができていました。何だろうと思って見たら、モノレールの順番待ちをしているのですか。そういえば、少し前にテレビで飛鳥山公園にモノレールができたと放送していたのを思い出しました。

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あすかパークレールと呼ばれ、高齢者や障害者、子供連れなど誰もが飛鳥山公園を利用しやすくするために作られたらしい。飛鳥山公園の入口から飛鳥山の山頂まで設置した昇降設備で、誰でも無料で乗車出来るとか。これは話のタネに乗ってみたいと思いますね。

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混んでいるので私はパスしましたが、かたつむりみたいな車体が登ったり、降りたりしているのを見るだけでも楽しかったです。

新幹線が見放題の北とぴあ展望ロビー

飛鳥山公園の下はJR王子駅。そのまま帰ろうかと思いましたが、ふと、近くに絶景スポットがあるのを思い出しました。それは、北とぴあ。

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王子駅前にそびえる北区の公共施設で、各種ホールや産業情報センターや消費生活センターが入っている建物。

ここのお勧めは、17階の展望ロビーですね。17階といっても、各階の天井が高いためか、マンションの同じ階よりもかなり高く感じます。そこからは、飛鳥山公園はもちろん、晴れた日には筑波山、秩父連山、赤城山まで見渡すことができるとか。

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先ほどまでいた飛鳥山公園の桜が下に小さく見ることができました。高いところから見ると、比較的内陸でも、東京って川が多いことに気付かされます。

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真下には、東北・北陸新幹線がひっきりなしに走っているのが見えました。子供たちが、その新幹線の名前を叫ぶのですが、一つもわかりませぬ。

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やはり、話のタネに久しぶりに新幹線に乗りたいと思ったのでした。

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2016年5月10日

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