リレー徘徊32:京の庭・京都御苑1・九条家の庭編(上京区)

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さて、前回に続き無料で拝観できる庭をご紹介します。場所は地下鉄丸太町駅下車すぐの「京都御苑」です。京都御苑は「京都御所」を含む大きな公園で「国民公園」として環境省が管理しています。ちなみに御苑内の京都御所は、当然ながら宮内庁の管轄になります。

この国民公園は、旧皇室苑地(皇居外苑、京都御苑、新宿御苑)と無名戦没者の遺骨が納められている千鳥ヶ淵戦没者墓苑と戦後強制抑留及び引揚死没者慰霊碑苑地を合わせて国民公園等と言うそうです。

京都御苑概要

京都御苑は、京都御所、仙洞御所を囲む面積約65haの公園で、東西700メートル、南北1300メートル、桜、梅、赤松、黒松など約5万本といわれる樹木が生育する広大な緑地ですが、元々、御所と約200軒の公家屋敷が建ち並ぶ公家町でした。明治2年(1869年)の東京遷都に伴って次第に荒廃、明治天皇がそのことを悲しまれて「大内保存事業」を発令、整備が進められて今の様な公園になったそうです。なので彼らの屋敷の一部が残されています。今回は、その残された屋敷跡の庭を巡ろうということなんですね。

堺町御門から入ってすぐの「九条家跡」

九条家は、五摂家のひとつで公家で、藤原北家の嫡流(ちゃくりゅう:総本家の系統の意)の藤原忠通(ふじわら の ただみち:平安時代後期から末期の公卿)の三男である九条兼実(くじょう かねざね:平安時代末期から鎌倉時代初期の公卿)を祖とするんだそうで、現在は庭園部分のみが残ってます。池や拾翠亭(しょうすいてい)と呼ばれる茶室の大きさを見るに一体どれくらいの大きさの屋敷だったのか!?驚きであります。

ちなみに五摂家とは、鎌倉時代に成立した藤原氏の嫡流で公家の家格の頂点に立った五家(近衛家・九条家・二条家・一条家・鷹司家)のことだそうです。下図は江戸末期の町の様子です。九条家は、南端に位置してたんですね。

九条池と高倉橋

庭園の勾玉形(まがたまがた)の池は「九条池」、そこに架かる橋は「高倉橋」と呼ばれ、東山を借景(しゃっけい:日本庭園や中国庭園における造園技法のひとつ)にした風景の一部だそうで、茶室側から見ると見事な風景配置になっているそうですが、高倉橋の上から観る茶室ある池畔景観もいいですよ。

そうそうこの「借景」という言葉、庭巡りをしているとよく出会うんで詳しく説明しておきますね。借景とは、庭から見える山などの風景を庭を形成する背景として取り入れ、前景と借景とを一体化させて奥行きある広大な景観を形成する手法です。京都で借景のある庭として「修学院離宮と比叡山」「円通寺の枯山水庭園と比叡山」「天龍寺の方丈裏庭園と嵐山」が有名ですね。

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この樹木の向こうすぐに、街の往来があるなんて!!

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こちらは厳島神社。

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厳島神社

橋から見える池の中島には、九条家の鎮守社だった厳島神社が祀られています。厳島神社と言えば世界遺産の「安芸の宮島」で、全国のこの神社の総本社ですね。宮島の総本社に祀られているのは、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)です。ということで、この池の神社には弁天様(=市杵島姫命)がお祀りされています。小さな橋を渡ってお参りします。

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この神社が庭の中にあったなんてね!!

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九條家の茶室・拾翠亭

池畔にある瀟洒な数寄屋風書院造りの二階建ての茶室「拾翠亭」があります。この茶室は、200年ほど前、江戸時代後期に建てられたそうで参観可能です。一般参観日は、年末、年始を除く毎週木・金・土曜日と葵祭(5月15日)、時代祭(10月22日)、参観時間9:30~15:30(閉門)、参観料100円です。茶会や句会などの催しでの部屋の貸し出しもあるそうです。

ただし、平成28年12月から九条池周辺の工事が行われる予定で、拾翠亭の一般公開と部屋貸しは中止となりますのでご注意を〜!! 次回は、すぐ横にある「閑院宮邸跡」へ向かいます。

 

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