初詣前に知っておきたい明治神宮の徹底ガイド
毎年初詣参拝客が日本一で有名なのが『明治神宮』で、東京でも著名な観光地の一つです。緑生い茂る広大な敷地は都会のオアシスとして人気で、近年はパワースポットとしても有名です。
今回は、初詣に行く前に知っておきたい明治神宮をお教えいたします。
Index
明治神宮
明治神宮は、明治天皇とその奥様の昭憲皇太后を祀っている神社です。
明治45年に天皇が、大正3年に昭憲皇太后さまが崩御されたことから、ご神霊をお祀りしたいという国民の希望により大正9年に建立され、100年後に緑濃い鎮守の杜になるよう計画された森は、約10万本の全国から献木を植栽した人口林なのです。
神宮橋
最寄りの駅はJR原宿駅で、ここから参道口に進むには。山手線を跨ぐ『神宮橋』を渡ります。この神宮橋は、明治神宮鎮座に先立つ1920年に完成したものですが、現在は2代目で、親柱は初代の橋を補修して再利用されたものです。
ついでながら、神宮橋のすぐ横にかけられている橋が『五輪橋』で、こちらは東京オリンピックの際に架けられたもので、親柱には地球儀が、そして壁面には種目のレリーフがかけられています。
南参道広場
神宮橋を渡ると明治神宮の表玄関『南参道広場』になります。
ここでちょっと注目していただきたいのは、広場の門に記載された開閉門の時間です。ここ明治神宮の開閉門の時間は、日の出、日の入りの時間と決められているので、季節によって時間が変わるのです。
そしてここには、明治天皇と昭憲皇太后がお詠みになった「御製・御歌」(和歌)が掲げられたボードがあり、季節ごとに代わるこの歌を楽しみにしている人も多いのだそうです。
※御製は天皇が詠んだ歌で、御歌は皇后などの皇室が詠まれた歌のこと。
南参道
南参道広場の右手を見ると立派な『一の鳥居』があります。ここからが神域となりますので、厳かな気持ちで進むことにしましょう。鳥居を潜る時は一礼してから潜り、神様が通る参道の中央は避けて端を歩くのが正式なんです。
参道を進むと右手側が竹下通り方面ですが、都会とは思えない明治神宮の深い森を実感します。
そして参道に掛かっているのが『神橋』で、両側に見える小さな渓谷と小川は暗渠となり竹下通りのそばを通ってキャットストリートの旧渋谷川につながっているのです。
代々木
神橋の先には“代々木”の地名の由来となった『モミの木』があります。
江戸時代からあり、登れば江戸を一望出来たといわれたほどの巨木だったそうで、“代々(だいだい)”この地に“樅の大木”があったので、「代々木」の地名となったのです。おおよそ50メートルくらいと推測されたのですが、戦災で焼け落ちて現在は跡継ぎということになります。
その先に神社ではよく見かける光景である奉納された日本酒の樽があり、その反対側にはほとんど見かけたことのない奉納された『ワインの樽』が置かれています。これは明治天皇がことのほかワインが好きだったことから、毎年ブルゴーニュ地方から奉納されたワインなのです。
大鳥居
南参道を左手に曲がった大参道には、高さ12メートル、幅17.1メートルの木造の明神鳥居としては日本一の大鳥居である『二の鳥居』が現れます。
創建時に作られたこの鳥居は2代目で、雷により一部破損したため建て替えられたのです。なお、初代の鳥居は現在、埼玉県の一の宮・大宮氷川神社の鳥居として役立っています。
幅18メートルの大参道を進むと、突き当りが本殿に向かう“桝形”とよばれる右折の参道となります。この右折の道が、直角ではなく88度という微妙な角度なのは、これは末広がりの“八”が縁起が良いことを由来としているトリビアです。
南神門
桝形を曲がった先にいよいよ社殿が見えます。
社殿の前にあるのが『三の鳥居』で、その鳥居を潜った先にあるのが『南神門』です。そして門の右手にあるのが『客殿』となりますが、ここで興味深いものを見ることができます。鳥居横の灯籠、そして南神門の金具、そして客殿の軒下には、何と“ハートマーク”がいっぱいあるのです。
このマークは日本の古代からある『猪目』という文様で、獣の眼力のより魔除けを意味したり、招福の意味を持っているのです。
御社殿
南神門の先に広がる光景が『御社殿』です。
ここ明治神宮は、芸能人を始めとした、各界の著名人もこの場所で結婚式を挙げていますので、運が良ければ、中央を横切る結婚式を挙げたカップルを見ることができるかもしれません。
また、ここでは大相撲の奉納横綱土俵入りが行われたり、子供の祭りや人形供養などが行われるお馴染みの場所でもあるのです。中央が『拝殿』で通常はすべてここで参拝します。これ以上は写真撮影できないので、本殿の写真はありませんが、本殿にご夫妻が祀られているのです。
ご神木
参拝後は拝殿の手前にある二か所の『ご神木』に注目です。楠がご神木となっていますが、右側のご神木には、多くの方の願いが込められた“絵馬”がかけられています。
左側のご神木は、2本の楠がご神木になった『夫婦楠』があります。仲睦まじかった御祭神を表すかのようなご神木で、カップルの方やご夫妻には、拝殿での参拝後、特にこの夫婦楠に間から拝殿を望んで参拝すると縁を強くしてくれるパワースポットなのです。
大御心
明治神宮には、私たちが知っている“おみくじ”はなく、代りに『大御心』というおみくじがあります。これは明治神宮にふさわしいおみくじをということから考えられたもので、いわゆる吉兆はなく、明治天皇皇后が詠まれた和歌から、教訓的な歌を30首選んで解説文を添えたものなのです。
例えば、写真の大御心の解説は「なまけて磨くことを怠ったならば、立派な光を持つ宝石も、瓦や石ころと同じで、何の役にもたたなくなります。」という少々耳の痛い教えなのです。
こだまと相和守
様々なご利益が授与されることから人気の高い明治神宮ですが、その中でもちょっと変わった人気のお守りに注目してい下さい。
《永遠の杜》として造られたご神木を開運木鈴にした『こだま』、更に社殿前の夫婦楠にあやかり、境内の楠のアロマを染み込ませた特別授与品『相和守』は、縁結びや夫婦円満のご利益がいただけるとカップルに人気なのです。
パワースポット
最後は『御苑』にあるパワースポット《清正の井》。占い師の島田秀平氏の紹介で一躍有名になり携帯の待ち受けにすると運気がアップするなどと云われています。
その一方、午後や雨の日は邪気が溜まるので要注意などと囁かれていますが、晴れた日の午前中なら大丈夫とも云われています。信じるか信じないかはあなた次第ですが、御苑を散歩するだけでもリフレッシュできることでしょう。
最後に…
今回は、参拝までのルート上をご紹介いたしましたが、境内には他にも見所があります。有名ながら見逃しがちな明治神宮を一度じっくり参拝してみてください。
2015年12月16日