温泉とカニを求めて!鄙びた名所、新潟県妙高の関燕温泉へ
秋も深くなって来たこともあり、紅葉を求めて出かけてみようと思い立ちました。せっかくなら、紅葉と温泉の両方を楽しむ贅沢な所はないものかと思案してところ、日本百名山一つ、妙高山の麓にある関燕温泉に出かけてみることにしました。
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秋晴れの中、新潟県妙高市を目指して
関燕温泉は、新潟県妙高市にある温泉ですが、実際には燕温泉と関温泉は別々の異なる温泉になっています。妙高と言えば、スキーヤーやスノーボーダーの方なら一度は訪れたことがあるかと思いますが、赤倉妙高スキー場が有名なところです。
雪のない季節は、どこにでもある街と変わりありませんが、一度冬になると積雪が2メートルを超える豪雪地帯なのです。
長野自動車道から上信越自動車道に変わったころ、右手に妙高山、斑尾山、黒姫山 、戸隠山、飯縄山の北信五岳が見えてきます。北アルプスや南アルプスのような雄々しさはなく、女性的柔らかな稜線が魅力の山々となっています。
妙高山は、火山の爆発で今の形となりましたが、別名「越語富士」と言われています。
妙高山登山の玄関口「燕温泉」
燕温泉は、赤倉温泉、関温泉の中で一番奥の温泉となっています。その昔、燕が多く生息していたことから、燕温泉と名づけられました。
これら温泉は、妙高山の火山による副産物なのですが、関燕温泉は全国的にも有名な赤倉温泉の陰に隠れてた存在になっています。
今回お目当ての燕温泉河原の湯は、燕温泉街から登山道を5分ほど歩いたところにある露天風呂になります。燕温泉の宿でも日帰り入浴できますが、ワイルドに温泉に浸かりたい人は、河原の湯がおススメです。
ただし、登山道を歩いていきますので、最低限スニーカーなどの靴は絶対に必要です。
白濁した乳白色の湯
河原の湯は、関燕温泉宿の方々が有志で運営されている温泉です。一応無料ですが、清掃などの維持するために、協力金に協力しましょう。
燕温泉は、硫化水素系のイオウ温泉です。源泉は、透明な湯ですが、空気に触れると酸化して乳白色に濁る温泉になりなります。
男女別の脱衣所はありますが、露天風呂は混浴となります。女性の方は、タオル巻はOKで、温泉に浸かってしまえば、乳白色の湯で気になることもないでしょう。(若い人はそれなりに勇気がいるかもしれません)
河原の湯の直ぐそばには、川が流れています。水しぶきの音と時折聞こえてくる鳥の囀りだけが聞こえています。ここは、都会的な人工物の音とは無縁の世界なのです。
温泉は40℃前後と、長湯するれには最適なので、ゆっくりと温泉浴を楽しめるでしょう。
妙高山登山道にある黄金の湯
燕温温泉には、河原の湯以外にももう一つ公共の露天風呂があります。妙高山登山道の途中に黄金の湯があり、こちらは男女別の露天風呂になります。
温泉は、河原の湯と変わりませんが、温度が44℃前後と熱めの温泉です。欲を言うのであれば、妙高山を拝みながら入浴したいところですが、その妙高山の麓にあるため、残念ながら山は見えません。
泉質の異なる関温泉
燕温泉に向かう途中に関温泉があります。それほど距離は離れていませんが、燕温泉と全く異なる温泉が湧いているのです。
関温泉は上杉謙信の隠れ湯とも言われ、武田信玄との戦いで傷ついた兵の療養した温泉と言われています。
泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉とよくある温泉ですが、成分の濃さは日本でも有数の温泉なのです。温泉を見ると先ほどの燕温泉の乳白色とは異なり、赤茶色に染まっているのが目に入ってきます。
温泉に入り、お湯をかき混ぜると、さらに赤茶色が濃くなり、自分の体もわからないくらいになってしまいます。そして、燕温泉は典型的な硫化水素系の匂いですが、ここ関温泉の匂いは、「石油」の匂いそのままです。
関温泉に浸かっていると、温泉と言うよりは、油に浸かっているかのように錯覚してしまいます。しかし、関温泉は別名「婦人の湯」と言われ、女性疾患によく効くと全国からご婦人らが訪れるそうです。
それにしてもよく温まる温泉で、温度は43℃ですが直ぐに額から汗が噴き出してきます。
カニを求めて能へ
せっかく新潟まで来ましたので、一度寄ってみたいと思っていました能に行ってみることにします。
能は、紅ズワイガニ魚が盛んなところで、道の駅能には紅ズワイガニを堪能できる道の駅として有名なのです。
道の駅能には、カニや横町と呼ばれる紅ズワイガニを扱う店が10軒ほど立ち並んでいます。一匹、500円からととてもお値打ちにカニを味わうことができます。
ところで紅ズワイガニは、ズワイガニと同種ですが、本ズワイガニが水深100メートルまでのところに生息しているのに対して、紅ズワイガニは水深300メール以上の深海に生息する大型のカニになります。
見た目は、ズワイガニと変わりありませんが、味はまろやかで甘みを強く感じます。人によっては、ズワイガニよりも紅ズワイガニを好む人もあるほどで、新鮮な紅ズワイガニは本家ズワイガニに負けない美味しいカニなのです。
カニや横町で試食させてもらい、6000円で何とおまけも含めて、大3匹、中7匹の合計10匹も箱一杯に入れてもらいました。
夕食は、紅ズワイガニを1人2杯と超贅沢に食卓を飾りました。正直、紅ズワイガニは水っぽくてあまり美味しくないと思っていましたが、能漁港産紅ズワイガニを食してみて考えが変わりました。
都会化する温泉地が多い中、関燕温泉のように鄙びた温泉も魅力的です。これからも大切にしていきたいものです。
2015年11月2日