秘湯シリーズ6〜シンプル・デトックス・カフェ風温泉・鹿教湯温泉・三水館~

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鹿教湯(かけゆ)温泉のはずれにわずか7室の宿「三水館」がたたずみます。静寂、シンプル、清楚さに魅了されます。調度品と彫像がカフェ風、食事はヘルシー、デトックス。女性に人気の宿です。

はじめに

三水館は山奥の秘湯ではありません。「温泉」? それとも「くつろぎリゾート」? 最初の感想は後者でしたが、三水館は「カフェ風温泉」と気づきました。

特長は、料理も野菜中心のシンプルで特筆すべきヘルシーな料理、それに上品で高質な調度品が醸し出すシンプルさと静謐さにあります。

三水館の佇まい

鹿教湯温泉への道は、上越道または関越道のいずれかになります。前者は松本インター、後者は東部湯ノ丸インター(SA)から降りて、どちらも約1時間で鹿教湯に着きます。

鹿教湯温泉の温泉街のほんのはずれ、道の横に静かにたたずんでいます。風景の邪魔をせず、植栽のかげに控えめな建物があります。

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入口の左手には花が生けられて、オープン椅子が並べられています。ここから三水館独自の世界に入っていきます。

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入口の中の土間は広く、見上げると吹き抜けの大空間になっています。奥に置かれたストーブと机椅子には控えめな存在感があります。この土間の余白空間がもすばらしい。

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左手には、三水館を特長づけるくつろぎスペースがあります。程よい大きさのスペースに品のいい丁度品が並んでいます。大きな机(中央の机は古民家の鴨居から造られたそうです)、それに座りごこちの良い椅子。

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シンプルで品のいいカフェという感じ、なかなかのセンスです。すべてがくつろげるように配慮されています。CDプレイヤーとCDが置いてあります。クラシックやイージーリスニングのジャンル。三水館を訪ねる人々は、静かに癒されるために来るのです。

井崎正治さんの彫像

館内には井崎正治(いざきまさはる)さんの彫像がさりげなく置かれ、静謐な空間を醸し出しています。存在感があります。

井崎正治さんは彫像だけでなく木工製品や絵も描かれている多能な方です。行かれた方は館内をよくご覧ください。木工のテイスト、造形、白っぽい特徴的な色、癒されます。理由を説明できないのが芸術です。

大きめの和室 落ち着いた寝室

部屋は2階です。左手に落ち着いた和室、右手に洋室の寝室があります。

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温泉

風呂に行くにはくつろぎ処から一旦外に出ます。屋根だけの通路なので冬は少し寒いでしょう。でも、その方が開放的で好きです。お風呂はシンプルな内風呂と露天風呂があります。

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これは女性用の風呂です。限られた空間を上手に使っています。露天風呂では中央の円柱状の石からお湯が溢れています。

次の男性用は露天風呂は四角で庭園風になっています。男性用と女性用は夕刻と朝で入れ替わるので両方を楽しめます。

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ヘルシーな食事

三水館の食事は季節によって変わります。「草鍋」「ねぎ鍋」「雑きのこ鍋」です。野菜やきのこなどカロリーはほとんどありません。どこの温泉でも食事はだいたい量が多すぎで、こんなヘルシー料理は珍しいです。

今回は「草鍋」でした。その具は、せり、あさつき、行者にんにく、こごみ、クレソン等、これに豆腐と鶏肉とだんご。野菜類とはいえ量はかなり多く、食べきれるか心配でしたが完食しました。味はシンプルな和風だし。

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野菜をドバッと入れますが、すぐにお湯となじんでいきます。そこで食べては追加しまた食べるの繰り返し、すると完食になります。

朝食は和風で簡素かつ爽やかです。

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極め付けは椎茸です。これを炭火炙ってでいただきます。

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「こつ」は裏返しで焼くこと、白い裏側からジューシーな湯気が上がる頃が食べごろです。

食事はお肉がきわめて少なく野菜か魚です。子供や海外の方には物足りないと思いますが、それが三水館のテイストです。

最後はくつろぎ処でコーヒーをセルフサービスです。朝の香りがします。

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これは夕食の時のデザートです。

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薬師堂と文殊堂

鹿教湯温泉街には薬師堂と文殊堂があります。日本の湯治場の原風景です。昔の温泉は治癒と信仰とが一体でした。

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薬師堂は屋根か苔かわからないほど自然と一体になっています。屋根はまったく苔だらけです。

文殊堂とは知恵を司る仏、元禄14年(1701年)に着工、宝永6年(1709年)完成。文殊堂には行基が彫った文殊菩薩像が安置してあり「日本三大文殊」の一つとされています。

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温泉は命をつなぐための治癒とのぞみの場所でした。

鹿が教えた温泉というのは全国にあまたあります。しかし、その名前の通りここは「鹿教湯」。話は飛びますが、宮崎県椎葉村に「鹿野遊(かなすび)」という地名がありました。平家の里は呼び方もみやび(雅)です。鹿は自然の象徴でもあるのでしょう。

おわりに

三水館は女性をメインターゲットにしたカフェー風温泉でした。これは、あたらしいジャンルではないでしょうか。落ち着いた空間と彫像、ヘルシーな料理、静かな温泉、全てに癒されます。

鹿教湯温泉には療養所も昔からありますが歓楽施設はありません。三水館は恵まれた現代人の癒しの場所です。

温泉概略データ:47.9度・pH7.87(鹿教湯2-6号混合データ),単純温泉(低張性中性高温泉)、蒸発残留物= 552mg/l、内湯(男女各1)、露天風呂(男女各1)

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2016年1月5日

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