秘湯シリーズ7〜雪に埋もれた野天風呂に絶句・乳頭温泉郷・蟹場温泉〜

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真冬の乳頭温泉郷、蟹場温泉はふわふわの深い雪に埋もれていました。その絶景露天風呂に言葉を失いました。まさに冬の東北の秘湯です。

はじめに

秋田県田沢湖北の山奥に乳頭温泉郷があります。ここには鶴の湯、妙乃湯、大釜温泉、蟹場(がにば)温泉、孫六温泉、黒湯温泉、休暇村乳頭温泉郷7つの宿があります。いずれも個性豊かな一軒家であるだけでなく、お湯は濁り湯から透明の湯まで様々で多彩な泉質を楽しめます。

実は乳頭温泉は秘湯にはまった思い出の宿の一つです。その鶴の湯はまた別の機会に紹介するとして、絶景露天風呂のある蟹場(がにば)温泉を紹介します。蟹場温泉の名前の由来は、澤筋に蟹が多くいたからだそうです。

雪に埋もれた蟹場温泉

アクセスは東京から夜行バスで約7時間強(リッチな方は新幹線で)、3列シートのバスは快適です。早朝に盛岡駅で降りレンタカーで2時間程度。

乳頭温泉郷に入ると一挙に雪が深くなります。そんな大雪の時でも道路は除雪が行き届いています。真っ白な雪道を向こうから除雪車が近づいて来ました。

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蟹場温泉は宿の建物はさっぱりとしています。

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この休憩所はモダンテイストです。

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部屋は程よい大きさで広縁もあります。トイレはありませんが冷蔵庫はあります。秘湯はこれで十分です。

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野天風呂(唐子の湯)

本館建屋の出口には長めの長靴が用意してあり、これに履き替えます。雪が深くても大丈夫です。距離は50mくらいです。歩いて行く露天風呂でオープンエアなので野天風呂と言うことにします。名前は「唐子の湯」といいます。川原のことをこの地方では「川原っこ」というが、これがなまって「唐子」になったそうです。

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日が暮れると幻想的な道になります。雪がきちんといつでも除雪されています。

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この先に小さな流れの横に野天風呂があります。

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夏とはまったく違う白一色の世界です。立ちすくんでしまい言葉を失います。ふわふわの新雪に埋もれた野天風呂です。現実と思えない世界に絶句。雪は降ったり止んだりでちょうどいい感じです。

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温すぎず熱すぎず湯温もすばらしい。湯守の方が凄腕です。

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泉質は単純硫黄泉、つまり硫黄成分があり、しかもアルカリ性です。溶けている成分も少ないので軽い湯でさっぱりしていますが、かすかに硫黄臭がします。私の解釈では爽やかな吟醸酒といった感じです。

次の写真、時間は3時半頃で、小雪の中に太陽の日差しが時おり差し込んでいます。幻想的な景色が温泉フリークにはたまりません。湯面に映る太陽、そういえば世の中には雪だけでなく太陽もいらっしゃった。

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取り囲むブナ林が実にすばらしい。唐子の湯の真骨頂はこのブナ林だと思います。まったくの自然の中に野天風呂があるのが感動的です。

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湯船に身を任せて至福の時間を楽しみます。時折、雪が舞ったり、日差しで明るくなったりして変化に富みます。次は夜の野天風呂。

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気温は−4℃、湯温は約41℃でした。湯船の中に身を浸せば全然寒くありません。(着替える時はかなり寒いです、特に床が。)

実は川原のすぐ横に源泉があります。生まれたての源泉がそのまま野天風呂に注がれます。この源泉にはコンクリートの枡などという無粋なものはありません。

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ほのかな硫黄臭がします。

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湯船の内側の源泉の注ぎ口です。岩の間から扇状に広がっていき、冬はこの辺りが一番気持ちがいいです。源泉が約50℃で湯量も豊富(約120ℓ/分)です。

内湯

内湯は男女入れ替え制の「岩風呂」と「木風呂」があります。女性用にはこのほかに専用の露天風呂(ひなざくら)があります。

次の写真は男性用の岩風呂、大きくはありませんが充分ですし、第一に静かで透明な湯と敷き詰められた石が印象的です。

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こちらは女性用の木風呂。

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いつも湯気もうもう状態で、湯の華も舞っていてそれが湯治場という感じです。木の風呂だから一層いい感じです。

食事ときき酒セット

温泉の食事は簡素であったり豪華であったりまちまちですが、ここは秘湯、簡素な食事で満足です。

食事は大広間でいただき、しっかりとした品揃え。鍋はもちろんきりたんぽ鍋。好物のなめこと鮎の塩焼きがありました。

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きき酒セット三種盛り。中央の「しぼりたて生酒・蟹場の酒」というのが一番気に入りました。

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生酒というのは醸造した後に水やアルコールを加えていません。アルコール度数も19度以上20度未満、それでうまみが濃いんです。

おわりに

ふかふかの新雪に覆われた野天風呂は例えようもなく、白い天国、温泉天国、しかもぶな林の大自然の中の野天風呂です。忘却、忘我のひと時でした。魂を揺るがすというのではなく、魂が抜き取られてしまったという感じでした。こんな体験に遭遇して、温泉の神様に感謝いたします。

皆さん、なんとかお休みを取って是非とも平日に静かに泊まられることをお勧めします。

(この記事はブログ「秘湯感動紀行」を加筆再編集したものです)

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2016年1月15日

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